訪問介護
1.訪問介護・介護予訪問介護とは?
訪問介護とは、居宅(老人福祉法に規定される老人ホームを含む)において介護を受ける要介護者・要支援者に対して、介護福祉士又は訪問介護員(所定の研修を修了したホームヘルパー)がその居宅を訪問して行なう入浴・排せつ・食事等の介護、及び日常生活上の世話などを指します。
身体介護
食事や排泄の介助、衣服の着脱、清拭(せいしき)、入浴介助、身体整容、体位交換、移動・移乗の介助、起床や就寝の介助、外出介助、その他必要な身体的な介護を行います。
生活援助
衣服の整理、調理、掃除、洗濯、生活必需品の買い物、薬の受け取りなど日常生活の援助です。介護利用者のお年寄り本人が一人暮らしの場合や、家族が障害、病気等のため家事を行うことが難しいケースに利用します。
2.指定までの流れ
4月1日指定(事業開始)を目指すと仮定します。
(1)事前協議
⇒北九州市、福岡市、久留米市に開設予定の場合は、各市の介護保険担当課と協議します。
⇒その他の市町村で開設予定の場合は、管轄保健福祉環境事務所と協議します。
(2)書類の作成・収集
(3)指定申請書提出
⇒指定予定日の前々月末(この事例の場合は2月末まで)に提出します。
(4)書類の補正作業・ヒアリング
⇒この事例の場合、概ね3月中旬までに補正作業を完了させます。
(5)事務所(現地)確認
⇒この事例の場合、概ね3月20日前後に行われます。
⇒備品搬入が完了し、事業を営むことができる状態になっていなければ、現地確認を受けることができません。
⇒現地確認時には従業者全員の本人確認があります。
(6)指定(4月1日)
⇒法人代表者、事業所管理者、サービス提供責任者が指定講習会に出席し、指定通知書を受領することで指定完了(事業開始)となります。
3.人員基準
(1)訪問介護員等
訪問介護員(ヘルパー)等は、常勤換算方法で2.5人以上配置します。
CHECK!
- 週の所定労働時間が40時間の事業所では、常勤換算方法では、40時間勤務=1.0人、20時間勤務=0.5人となります。(合計を算出する際は、計算途中で端数処理せず、最後に小数点第2位以下を切り捨てて処理します。)
- 常勤換算方法で2.5人には、サービス提供責任者の勤務延べ時間数を含みます。
- 管理者兼サービス提供責任者の場合、常勤換算に含むことができる勤務延べ時間数は、最大1/2です。
- 訪問介護事業所において訪問介護業務に従事できる資格者証は以下のとおりです。
介護福祉士登録証、介護職員基礎研修修了証書、訪問介護員1級(2級)課程修了証書、看護師免許証、准看護師免許証、家庭奉仕員講習会修了証書
(注1)
ヘルパー修了証書は、「介護保険法施行令の規定に基づく」もしくは「厚生省の定める」訪問介護員(ホームヘルパー)養成研修の記載があるものに限ります。
(注2)
家庭奉仕員講習会修了証書は、都道府県又は(財)長寿社会開発センターによるものに限ります。
(2)サービス提供責任者
常勤の訪問介護員等のうち、利用者の数が40又は端数を増すごとに1人以上の者をサービス提供責任者としなければなりません。
CHECK!
- 管理者がサービス提供責任者を兼務することは構いません。
- 利用者の数は、前3月の平均値(歴月ごとの実利用者数を合算し3で除して得られた数)を用います。
- 新規又は再開した事業所においては、適切な方法により、利用者の数を推定します。
- 通院等乗降介助に該当するもののみを利用した者の当該月における利用者の数については、0.1人として計算します。
- サービス提供責任者として配置可能な非常勤職員については、当該事業所における勤務時間が、常勤の訪問介護員等の1/2以上に達している者でなければなりません。
- サービス提供責任者の資格要件は、下記のとおりです。
介護職員基礎研修、訪問介護員養成研修1級課程修了者、介護福祉士、看護師、准看護師の資格を有している者 - 実務経験3年以上の2級ヘルパーをサービス提供責任者とすることは、暫定的取り扱いのため極力避けて下さい。
- サービス提供責任者は、専ら指定訪問介護の職務に従事する者でなければなりません。(非常勤のサービス提供責任者及び管理者、同一敷地内にある指定定期巡回・随時対応型訪問介護看護事業所又は指定夜間対応型訪問介護事業所の職務に従事する場合を除く。)
(3)管理者
専ら管理の職務に従事する常勤の管理者を配置すること。ただし、管理上支障がない場合で、以下に該当する場合は兼務が認められます。
- 当該訪問介護事業所の他の職務に従事する場合
- 同一敷地内にある他の事業所、施設等の職務に従事する場合
4.設備基準
(1)事業の運営を行なう為に必要な広さを有する専用区画を有ること。
⇒訪問介護を行うための区画が明確に特定されていれば、他の事業と同一の事務室で構いません。
(2)サービス提供に必要な設備・備品が有ること。
⇒事務室の他、相談スペースなど。
⇒手指洗浄設備(洗面場)、ウエルパス(速乾性擦り込み式手指消毒剤)、使い捨てペーパータオル等感染症予防に必要な設備が必要です。
5.必要書類
(1)指定居宅(介護予防)サービス事業者指定申請書(様式1)
(2)指定訪問介護事業者の指定に係る記載事項(付表1)
(3)指定申請手数料
(4)申請者(開設者)の定款、寄付行為等の写し
(5)法人登記簿謄本(原本)
(6)誓約書(様式2、暴力団排除)
(7)従業者の勤務体制及び勤務形態一覧表
⇒申請法人に同一所在地で行う他事業所がある場合、他事業所分も添付します。
⇒従業者が他事業所と兼務する場合、他事業所分も添付します。
(8)組織体制図
⇒申請法人に同一所在地で行う他事業所がある場合、他事業所分も添付します。
⇒従業者が他事業所と兼務する場合、他事業所分も添付します。
(9)管理者経歴書
(10)資格証の写し
(11)雇用(予定)証明書(様式3)
(12)事業所平面図
(13)事業所の写真
⇒建物外観、事務室内部、手指洗浄設備等の写真が必要です。
(14)近隣案内図
(15)運営規程
(16)利用者からの苦情を処理するために講ずる措置の概要
(17)財産目録等
⇒直近の決算報告書(貸借対照表、損益計算書等)の写し
(18)備品一覧表
(19)事業計画書、収支予算書
⇒事業開始から1年分の収支計画が必要です。
(20)損害賠償保険証書の写し
⇒申込書の写し+領収書の写しでOKです。
(21)介護給付費算定に係る体制等に関する届出書
(22)チェックリスト
CHECK!
- 写しを提出する場合は、すべて原本証明が必要です。
- 法人登記簿謄本の有効期限は3ヶ月です。
- 提出部数は1部です。
- 上記は北九州市の場合です。他県、他市町村では必要書類や取り扱いが異なる場合があります。
6.その他
(1)当該法人が初めて介護事業を行う場合は、業務管理体制の届出書(整備)を提出しなければなりません。
(2)老人福祉法に基づく開始届は、別途手続きが必要です。